第177回教父研究会は 2022年6月25日(土)オンライン(Zoom)にて開催される予定です。また、例会の前には総会も開催されます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
日時:2022年6月25日(土)14:00-14:30 総会 ── 14:30-17:00 例会
会場:ミーティング URL はメール・手紙にて会員の皆様にお知らせしています。届いていない場合は、お手数ですが事務局までお問い合わせください。
参加にあたっては、次の三点を守ってください。
1. 表示名を「氏名」にしてください。
2. 司会者・発表者以外は音声を「ミュート」にしてください。質疑応答の際に司会者に指名されたときのみ「オン」にしてください。
3. 質問するときは「手を挙げる」機能を用い司会者に指名されるのをお待ちください。
非会員の参加も可能となっております。関心のありそうなお知り合いがいらっしゃる場合は、「非会員専用参加受付フォーム https://forms.gle/5RgJ3P8jTqEv8XAfA」をご案内ください。
懇親会は実施しませんが、例会後もしばらく Zoom ミーティングを開いたままにいたしますので、自由にご歓談ください。
発表題目:”ex opere opetato” と “res et sacramentum” ── 秘跡論の課題とトマス・アクィナス ──
発表者:桑原直己
要旨:
アウグスティヌスがドナトゥス派と格闘した成果は、秘跡の有効性は執行者の善悪にはよらないとする、いわゆる事効性 ex opere opetato の原理として、その後のカトリック教会の基本方針となっていった。しかし、事効性の原理に対する硬直した固着は、しばしばカトリック教会とプロテスタント教会との対立点ともなっている。
トマス・アクィナスの秘跡論は、(1)「単なる秘跡sacramentum tantum」、(2)「実在にして秘跡なるものres et sacramentum」、(3)「純粋に実在であり秘跡ではないものres tantum et non sacramentum」という「秘跡の三重構造」の理論を踏まえて展開している。
(1)は秘跡における「目に見える外的な儀礼」であり、(3)は「霊魂の奥深いところで起る恩恵の内的な働きかけ」である。秘跡の本質をめぐるプロテスタント神学とカトリック神学との対立をもたらしている「事効性の原理に対する硬直した態度」とは、この(1)と(3)との両者を分離して捉えようとする傾向、さらに言えば(1)をそれ自体完結したものとして考える傾向であると考えられる。
本発表では、トマスの秘跡論における(2)「実在にして秘跡なるもの」の意義に着目し、トマスの秘跡論がアウグスティヌスに代表される教父以来の伝統を踏まえつつ、現代秘跡神学が直面するエキュメニカルな課題についても示唆を与えるものであることを示したい。
この件に関するお問い合わせは下記教父研究会事務局にお願いいたします。
〒141-8642東京都品川区東五反田三丁目16-21
清泉女子大学文学部文化史学科
坂田奈々絵研究室
mail: secty.jsps [at] gmail.com