第139回教父研究会は、2012年3月3日(土)14時~17時、聖心女子大学1号館4階大会議室において開かれます。皆様のご参加をお待ち申しあげております。
- 津田謙治(西南学院大学講師)「テルトゥリアヌス『マルキオン反駁』における場所と二神論の問題」
- メッセージ:創造神と救済神との分離によって二神論を説いたマルキオンは、144年頃にローマの教会から追放されたとされている。この人物の教説を取り上げて、その細部に至るまで論駁を行った教父の一人がテルトゥリアヌスである。彼は恐らく207年頃に、現在残されているかたちの『マルキオン反駁』第一巻を執筆し、最終的にこの書物は全五巻の大著となった。
本発表では、第一巻で取り上げられた多神論的枠組みに対する批判の中から「場所」に関する議論に焦点を当てる。マルキオンのように二神論を説くことは、万物を包括する神と「場所」の関係から齟齬をきたすとテルトゥリアヌスは批判している。このような批判は直截的にはエイレナイオスに遡るものであるが、巨視的に捉えるならば、使徒教父の言説やアレクサンドリアのフィロンなどヘレニズム的ユダヤ人の議論の中にその萌芽を見出すことも可能である。ここではテルトゥリアヌスのこの議論が含む問題を明らかにし、歴史的な視野の中で捉え直すことを試みる。
- メッセージ:創造神と救済神との分離によって二神論を説いたマルキオンは、144年頃にローマの教会から追放されたとされている。この人物の教説を取り上げて、その細部に至るまで論駁を行った教父の一人がテルトゥリアヌスである。彼は恐らく207年頃に、現在残されているかたちの『マルキオン反駁』第一巻を執筆し、最終的にこの書物は全五巻の大著となった。
- 特定質問者 水落 健治(明治学院大学教授)