第118回教父研究会は、2006年12月9日(土)14時-17時半に、明治学院大学 白金校舎本館1310番教室において開かれます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
- 水落健治「カシキアクムでの自由学芸」
- メッセージ 紀元386年11月上旬~387年4月下旬、ミラノでの回心を経験したアウグスティヌスは、キケロのトゥスクルムでの談義以来の伝統に連なる「自由な閑暇」otium liberum を求めてミラノ近郊のカシキアクムに滞在し、友人・弟子との対話の中にカシキアクム対話篇や自由学芸の書物を執筆した。この半年足らずの期間に行われた知的営為がいかなるものであったかについての研究は、これまで、もっぱら A.V.ハルナックが提起した「アウグスティヌスの回心についての論争」との関連で行われて来た。だがこの事態は、1975年と1990年に発見された新書簡・新説教の出現によって新たな局面を迎えたといってよい。今回の発表では、これらの新資料を踏まえつつ、カシキアクムで行われた自由学芸を媒介とする真理探求がいかなるものであったのかを、『秩序』第二巻、および『書簡26』に収録されているリケンティウスの詩を手がかりに明らかにしたい。
- 参加費 500円